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急に尿が出なくなった:尿閉が起きる仕組みと治療

急に尿が出なくなる尿閉について、当日の導尿、原因薬と前立腺、カテーテル抜去試験、慢性尿閉、間欠自己導尿までを順に解説します。

閉じた金色の門の手前に流れがたまる様子によって、急な尿閉を表した概念図
尿の通り道が急に閉ざされる状態を、出口の手前に集まる流れとして表現しています。© Uro Care 医学編集部
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強い尿意と下腹部膨満があれば、当日中に減圧します

強い尿意があるのに尿が出ず、下腹部が張っていませんか? 尿が出ず下腹部が張る場合は当日中に、発熱・悪寒や脚の脱力・会陰部のしびれが重なる場合は直ちに対応します。

急性尿閉では、排尿したいのに尿が出ず、膀胱が痛く張ります。少量ずつ漏れていても、膀胱内に大量の尿が残っている場合があります。前立腺肥大症、尿道狭窄、結石、血塊、便秘、薬剤、手術後、神経障害、感染が原因となります。

発熱、悪寒、血圧低下、意識変化があれば感染性尿閉として扱います。腰痛に会陰部のしびれ、両脚の脱力、便失禁が重なれば、馬尾症候群を疑います。痛みが乏しい慢性尿閉にも、水腎症や腎機能低下を伴う人がいます。尿が出た量と膀胱内に残った量を測り、緊急度を決めます。

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発症前1週間の薬、便通、飲酒を振り返ります

前立腺肥大症で尿道抵抗が高い人に、総合感冒薬の交感神経刺激成分、抗ヒスタミン薬、抗コリン作用のある向精神薬、オピオイド、麻酔が加わると尿閉が起きやすくなります。大量飲酒は膀胱を急に満たし、尿意と膀胱収縮を鈍らせます。重い便秘、長時間の我慢、尿路感染、入院中の臥床も引き金です。

前向き集団研究では、年齢、症状、尿流低下、前立腺増大などが急性尿閉リスクと関連しました[1]。発症前に始めた薬、手術や麻酔、便通、飲酒、発熱を確認します。原因候補の薬にも治療目的があるため、処方医と代替、用量、再投与時の監視を相談します。

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導尿時には、排出量と尿の性状を記録します

通常は尿道カテーテルを挿入して膀胱を減圧します。尿道狭窄、骨盤外傷、血性尿道分泌、強い挿入抵抗がある場合は無理に進めず、ガイド下挿入や恥骨上膀胱瘻を検討します。排出した尿量、血尿、膀胱痛の変化を記録し、尿検査、培養、クレアチニン、電解質、超音波で原因と上部尿路への影響を調べます。

大量の慢性尿閉を解除した後は、閉塞後利尿で時間尿量が著しく増え、脱水や電解質異常を起こす場合があります。尿量、体重、血圧、ナトリウム、カリウムを監視し、失った水分に合わせて補液します。減圧後の血尿は起こり得ますが、血塊形成やヘモグロビン低下には止血評価が必要です。

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前立腺肥大例では、薬を始めて抜去日を決めます

前立腺肥大症による初回尿閉では、数日間カテーテルを留置し、α1遮断薬を開始してから抜去試験を行います。無作為試験と系統的レビューでは、α遮断薬がカテーテル抜去後に排尿できる確率を高めました[2][3]。立ちくらみ、血圧低下、白内障手術予定を確認します。

抜去後は排尿量、尿勢、排尿後残尿を測ります。少量出ただけでは成功とせず、膀胱が十分空になったことを確認します。即日抜去と数日後の抜去を比較した研究もありますが[4]、前立腺体積、感染、導尿量、全身状態から時期を決めます[5][6][7][8]。失敗時は再留置または間欠導尿とし、前立腺、尿道、膀胱収縮力を再評価します。

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痛みの乏しい慢性尿閉は、腎臓まで確認します

慢性尿閉では膀胱感覚が鈍り、下腹部痛が目立たないまま残尿が増えます。頻尿、夜間尿、少量ずつの尿漏れ、反復尿路感染、eGFR低下から見つかる人もいます。あふれる尿漏れを切迫性尿失禁として薬で抑えると、残尿が増える危険があります。

超音波で残尿、膀胱壁、水腎症を確認し、尿流測定と神経所見を加えます。閉塞か排尿筋低活動かで治療が変わる人には、圧尿流検査を選びます。糖尿病、脊髄疾患、パーキンソン病、骨盤手術歴がある人では膀胱収縮力を詳しく見ます。腎機能が安定し感染がない一部の人は慎重に観察でき、大量残尿と上部尿路障害がある人には排尿路確保を優先します。

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再発リスクと膀胱収縮力から、手術を考えます

カテーテル抜去に成功しても、前立腺増大、低い尿流、初回導尿量の多さ、強い症状がある人は再発しやすくなります。薬物療法を続けるか、経尿道的前立腺手術やレーザー核出術へ進むかを検討します。反復尿閉、膀胱結石、反復感染、水腎症、腎機能障害は手術を選ぶ所見です。

膀胱収縮力が著しく低下している場合、前立腺手術で出口を広げても自己排尿が十分戻らない可能性があります。圧尿流検査、排尿筋収縮、尿閉が続いた期間から術後経過を見積もり、自己導尿を続ける可能性も説明します。尿道狭窄や神経性尿閉には、それぞれ別の治療を選びます。

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留置中は、管の屈曲と牽引を毎日確認します

尿バッグは膀胱より低い位置に保ち、チューブの屈曲、体の下への巻き込み、引っ張りを避けます。接続部を不用意に外さず、留置期間を必要最小限にします。尿が流れなくなって膀胱痛が戻る、血塊が増える、発熱や悪寒が出る場合は、閉塞または感染として当日中に評価します。

混濁やにおいだけからカテーテル関連尿路感染を診断しません。発熱、疼痛、全身状態と培養を確認します。予防目的の抗菌薬を留置中ずっと続ける方法は耐性菌を増やします[9]。自宅へ帰る人には、バッグの排液、固定位置、入浴、夜間バッグ、抜去予定日を実際の器具を用いて説明します。

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女性の尿閉では、発症した場面を詳しく聞きます

女性の急性尿閉では、骨盤臓器脱、骨盤手術後、分娩後、鎮痛薬や麻酔、尿道病変、神経疾患を調べます。強い外陰部痛やヘルペスによって排尿を避ける状態、骨盤内腫瘤も候補です。発症した時刻、手術や出産、服薬、痛みの部位を確認します。

残尿測定、骨盤診察、神経所見を行い、原因が回復するまで間欠導尿または一時留置を用います。分娩後は膀胱感覚が乏しいまま過伸展する場合があるため、排尿時刻、排尿量、残尿を追います。会陰部のしびれや脚力低下があれば、女性にも馬尾障害の評価が必要です。

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退院時の説明は、日付と異常ごとに書きます

カテーテルを留置して帰宅する人には、抜去または交換予定日、α1遮断薬の開始日、尿バッグの扱い、入浴方法、夜間の固定を1枚にまとめます。尿が流れない、膀胱痛が戻る、血塊が出る、発熱・悪寒がある、バッグが急に多量になるといった変化ごとに、連絡先と対応期限を記します。

抗凝固薬、便秘薬、感冒薬を含む服薬一覧も見直します。導尿時の排出量、クレアチニン、水腎症の有無は、次回の抜去試験と手術相談に使います。カテーテルは膀胱を空にする処置であり、原因そのものの治療計画はその後に続きます。

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間欠自己導尿で、膀胱を定期的に空にします

膀胱収縮力低下や回復に時間を要する尿閉では、1日数回の間欠自己導尿を行います。持続留置を避けることで、身体活動や性活動を保ちやすくなる人がいます。手指機能、視力、認知機能、介助者の有無を確認して練習します。

導尿時刻と排出量を記録し、自尿量が増え残尿が減れば回数を調整します。清潔操作、カテーテルの再使用、保管方法は製品と地域の手順に従います。挿入時に強い抵抗、出血、痛みがあれば無理に繰り返さず、尿道狭窄や誤った挿入経路を確認します。自分で管理できる排尿法として、生活に合う時刻を設定します。

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まとめ

急性尿閉は、尿意があるのに尿が出ず下腹部が張る状態です。当日中に膀胱内の尿を排出し、導尿量、腎機能、感染、原因薬、前立腺、尿道、神経を調べます。前立腺肥大例ではα1遮断薬を開始して抜去試験を行い、排尿後残尿で成功を確認します。大量の慢性尿閉には水腎症と腎機能の評価が必要です。発熱・循環不全、会陰部のしびれ、両脚の脱力には直ちに対応します。回復に時間がかかる人は間欠自己導尿を検討します。