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膀胱鏡検査は何を見る?痛み・時間・検査の流れ

膀胱鏡で尿道や膀胱のどこを観察するのか、軟性鏡と硬性鏡の違い、痛み、所要時間、検査後に起こりやすい変化を解説します。

細く曲がる観察ラインの先端に小さな金色の光があり、丸みのある器の内側を静かに照らすことで膀胱鏡検査を表した概念図
実際の内視鏡像や身体を描かず、細い器具で膀胱内を観察する検査の流れを、光のあるラインと器で表現しています。© Uro Care 医学編集部
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画像検査で見えにくい粘膜表面を直接観察します

CTや超音波の後に膀胱鏡を加えるのは、画像と内視鏡で観察できる対象が異なるためです。画像検査は腎臓、尿管、膀胱の形、壁の厚さ、結石、腫瘤を広く捉えます。膀胱鏡は尿路内側の粘膜を近い距離から観察します。

小さな平坦病変、上皮内がん、尿道狭窄、前立腺部尿道の出血は画像で輪郭を捉えにくく、膀胱鏡で確認します。EAUガイドラインは、膀胱がんの診断に膀胱鏡と必要に応じた組織確認が中心的な役割を持つとしています[1]。また、AUAの顕微鏡的血尿ガイドラインでも、尿路がんリスクに応じて膀胱鏡が組み込まれています[2]。

例えば、建物全体を外から撮影する検査と、室内の壁紙や床を近くで確認する検査の違いと考えると分かりやすいでしょう。

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尿道から膀胱までを、軟性鏡または硬性鏡で確認します

膀胱鏡は尿道口から細い内視鏡を入れ、尿道、膀胱頸部、膀胱内を観察する検査です。男性では前立腺の中を通る前立腺部尿道があり、前立腺肥大による圧迫や出血源が見えます。女性は尿道が短く、膀胱へ到達するまでの距離も男性と異なります。

膀胱内では、生理食塩水などで膀胱を少し広げながら、前壁、後壁、左右の側壁、底部、三角部を見ます。左右の尿管口から尿が流れ込む様子、粘膜の色、血管、隆起、結石、異物、炎症性変化などが観察対象です。

腎臓や尿管の奥は、CT、超音波、尿管鏡など別の方法で評価されます。検査名に「膀胱」と付いていても、尿道を含む出口側の情報が得られる点も特徴です。

外来の診断では、先端が曲がる軟性膀胱鏡が広く使われています。尿道の曲線に沿いやすく、男性の前立腺部尿道も比較的なめらかに通過します。先端を動かすことで、膀胱頸部の裏側を含めて広い範囲を観察できます。

硬性膀胱鏡は金属製のまっすぐな器具で、視野が安定し、太い処置器具を使いやすい特徴があります。生検、異物除去、手術室での処置などでは硬性鏡が選ばれる場面があります。

男性を対象とした多施設研究では、診断用の軟性鏡は硬性鏡より痛みが少ない結果でした[3]。女性を対象とした無作為試験では軟性鏡の痛みが低く、小規模試験では硬性鏡・軟性鏡とも痛みが軽い結果でした[4]。器具の種類に加えて、尿道の状態、検査目的、術者の操作、過去の処置歴が感覚へ影響します。

軟性鏡と硬性鏡の疼痛を比較した系統的レビューでは、検査条件と患者背景の違いを含めても軟性鏡の負担が小さい傾向が示されました[9]。

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検査室では消毒、麻酔ゼリー、観察の順に進みます

検査前には尿検査、発熱や排尿症状、抗凝固薬、薬剤アレルギーなどが確認されます。通常の観察だけなら全身麻酔を使わず、尿道へ潤滑ゼリーまたは局所麻酔ゼリーを入れて行う形が一般的です。

仰向けまたは砕石位となり、外陰部を消毒した後、内視鏡をゆっくり進めます。膀胱へ入ると液体を流して壁を広げ、粘膜を順番に観察します。内視鏡が入っている時間は数分程度で終わる事が多いものの、準備、説明、尿検査、着替えを含めた滞在時間は長くなります。

膀胱へ水が入るため、検査中に強い尿意を感じます。この尿意は膀胱が広がる感覚で、内視鏡の痛みとは別の要素です。観察が終わると液体を抜きながら内視鏡が戻され、尿道も再び確認されます。

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痛みは尿道の状態、処置歴、緊張で変わります

膀胱鏡の痛みには、尿道括約筋の緊張、前立腺部尿道の角度、尿道狭窄、炎症、過去の痛い経験、不安の強さが関わります。男性では膜様部尿道から前立腺部尿道を通る瞬間に圧迫感が出やすく、女性では膀胱を広げる尿意の方が印象に残ります。

地域で行われた軟性膀胱鏡の調査では、痛みの中央値は10点中1点前後で、強い痛みを記録した患者は少数でした[5]。初回検査、若い年齢、緊張が強い状態では、痛みが高くなる傾向も示されました。

局所麻酔ゼリーの有効性は研究によって差があり、2%リドカインで痛みが低下した無作為試験もあれば、潤滑剤との差が小さいメタ解析もあります[6]。ゼリーの種類だけより、十分な潤滑、ゆっくりした挿入、括約筋が緩む呼吸、器具の太さが重なって感覚が決まります。

疼痛軽減法の系統的レビューでは、器具、潤滑、操作、注意転換など複数要因が評価されました[7]。リドカインゲルと通常潤滑剤の無作為化比較では結果が一様でなく、麻酔薬だけで痛みが決まる状態とは異なります[10]。

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息を吐きながら骨盤底を緩めると通過しやすくなります

緊張すると骨盤底筋と尿道括約筋が締まり、内視鏡が通る際の抵抗が増えます。ゆっくり息を吐き、尿を出す時のように会陰部を緩めると器具の通過が滑らかになります。

検査画面を見る方法、音楽を聴く方法、灌流液を患者自身が調整する方法なども研究されています。画面を見ながら説明を受けると不安が下がる患者もいれば、画面を見ない方が落ち着く人もいます。音楽を用いた無作為試験やメタ解析では、痛みや不安が低下する方向が示されました。

痛み対策は1つの方法に固定されるより、器具、潤滑、呼吸、情報量、室内環境を組み合わせる形が現実的です。短時間の検査であっても、何が起きるかを先に知ることが筋緊張を下げる助けになります。

音楽を用いた研究のメタ解析では痛みと不安の軽減が検討され[8]、呼吸や説明と同様に緊張を下げる補助策として位置づけられます。

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疑わしい粘膜は尿細胞診・生検の結果と照合します

膀胱鏡で乳頭状の腫瘍や平たい赤色病変が見つかっても、良悪性や深さは外観だけで確定しにくいものです。腫瘍が疑われる場合には、経尿道的膀胱腫瘍切除術や生検で組織を採り、病理診断へ進みます。

炎症、放射線治療後の変化、間質性膀胱炎、薬剤性膀胱炎なども赤みや出血を示すため、尿細胞診や過去の治療歴と合わせて解釈されます。逆に、尿細胞診が陰性でも小さな低異型度腫瘍が膀胱鏡で見つかります。

膀胱鏡は病変の有無と場所を直接捉える検査で、病理検査は細胞の性質と深さを決める検査です。観察と病理診断の役割を区別すると、膀胱鏡の後に別の処置が組まれる理由が見えやすくなります。

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検査後の排尿痛と少量血尿は経過を記録します

内視鏡が尿道を通り、膀胱を液体で広げるため、検査後に排尿時のしみる感覚、頻尿、少量の血尿、下腹部の違和感が現れます。自宅での調査では、血尿や排尿痛、膀胱部の違和感が検査当日に多く、時間とともに軽くなる傾向が示されました。

軟性膀胱鏡後の症候性尿路感染は多くの研究で低率で、近年の外来研究では2%前後でした[5]。検査前から細菌尿がある場合、カテーテル使用、免疫低下、最近の尿路処置などが感染リスクへ影響します。

抗菌薬は全員へ同じように使うより、尿所見と患者背景を基に選ばれる方向へ進んでいます。検査後の一時的な刺激症状と、感染による持続的な症状は経過が異なります。

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膀胱がん治療後は再発リスクに応じて繰り返します

膀胱の筋層まで達していないがんでも、切除後に別の粘膜部位へ病変が再び現れます。そのため、腫瘍を切除した後も、リスクに応じた間隔で膀胱鏡が行われます[1]。

低リスクでは検査間隔を徐々に広げます。高リスクでは尿細胞診を組み合わせ、長期にわたり確認します。再診時の目的は、再発の早期発見、治療後粘膜の確認、上皮内がんの評価です。

尿中マーカーや画像技術が進んだ現在も、膀胱粘膜を直接観察する情報は診療の中心です。膀胱鏡を繰り返すのは、膀胱がんが時間とともに別の粘膜部位へ再発する性質を持つためです。

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まとめ

膀胱鏡は尿道から膀胱粘膜までを直接観察し、画像検査で捉えにくい小腫瘍、上皮内がん、結石、狭窄、出血点を確認します。軟性鏡か硬性鏡か、男性・女性の尿道、狭窄や処置歴によって痛みの出方が変わります。検査中は息を吐きながら骨盤底を緩めると器具が通りやすくなります。終了後の軽い排尿痛や血尿は時間とともに軽くなりますが、発熱、尿閉、血塊、増える出血には追加評価が必要です。膀胱がん治療後は再発リスクに応じた間隔で検査を続けます。