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尿道から膿が出る・排尿時にしみる:尿道炎と性感染症

尿道分泌物や排尿時灼熱感から、淋菌、クラミジア、Mycoplasma genitaliumを調べます。初尿・咽頭・直腸の採取、耐性、パートナー対応を解説します。

細い流路を通る淡い流れと小さな赤銅色の点を観察リングで捉え、尿道炎で確認する炎症と感染の可能性を表した概念図
排尿時の刺激や分泌物を生々しく描かず、流路を通る流れと観察点として表現しています。© Uro Care 医学編集部
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性接触の部位から、採る検体を決めます

排尿時にしみる、尿道から分泌物が出る――そんな変化に気づいていませんか?

尿道炎は、排尿時の灼熱感、尿道口のかゆみ・違和感、膿性または透明な分泌物で現れます。無症状や軽い違和感だけの感染もあります。主な原因は淋菌、Chlamydia trachomatis、Mycoplasma genitaliumで、Trichomonas vaginalis、アデノウイルス、単純ヘルペスなども候補です[1][10]。

問診では、口腔、腟、肛門のどの部位に接触があったか、コンドーム使用、新しいパートナー、症状が始まるまでの日数、抗菌薬歴を確認します。咽頭や直腸の感染を調べるには、それぞれの部位から検体を採ります。接触した部位ごとに検体を選ぶための医学情報として、具体的な性行動を尋ねます。

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膿性分泌物があれば、淋菌の検査を急ぎます

淋菌性尿道炎は比較的短い潜伏期の後、黄白色の膿性分泌物と強い排尿痛を起こしやすい感染です。症状が軽い人もいます。男性の尿道分泌物をグラム染色し、細胞内グラム陰性双球菌を認めれば診断を強く支持します。核酸増幅検査で淋菌とクラミジアを同時に調べます。

薬剤耐性の監視や治療失敗が疑われる場合は、核酸検査に加えて培養と感受性検査を行います。無症状の咽頭感染も多いため、咽頭から検体を採ります。発熱、移動性関節痛、腱鞘炎、皮疹があれば播種性淋菌感染を考えます。片側陰嚢痛には精巣上体炎と精巣捻転が含まれ、突然の強い痛みなら捻転を先に評価します。

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軽い症状や無症状でも、クラミジアを検査します

クラミジア性尿道炎は、透明から粘液性の分泌物、軽い排尿痛として現れ、無症状の人もいます。男性では精巣上体炎、女性では子宮頸管炎から骨盤内炎症性疾患や不妊へつながるため、無症状例にも、合併症と感染拡大を防ぐ治療が必要です。

尿道の検査には排尿開始時の初尿を使います。排尿直前に大量の水を飲む、直前に排尿すると菌量が少なくなる可能性があるため、施設の採取条件に従います。治療後も症状が続く場合は、再感染、服薬不完全、M. genitalium、T. vaginalis、ヘルペス、非感染性炎症を調べます。妊娠、アレルギー、合併感染により薬剤と治療後検査が変わります。

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持続・再発例では、M. genitaliumと耐性を調べます

M. genitaliumは非淋菌性尿道炎、特に持続・再発例の重要な原因です。細胞壁を持たないため、細胞壁を標的とするペニシリン系やセフェム系抗菌薬は治療選択から外れます。マクロライド耐性が広がり、単回大量アジスロマイシンには耐性選択の問題があります。診療指針では、可能な場合に耐性情報を用いた段階治療が重視されています[2][3]。

核酸増幅検査の利用可否、薬剤の承認と保険は地域で異なります。治療後検査は使用した薬と病原体に合う時期に行い、早すぎる検査で残存核酸を拾わないようにします。排尿痛のある女性を調べた研究では、M. genitalium感染が尿路感染として扱われていた例がありました[4]。検出には核酸増幅検査を用います[6]。

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初尿、咽頭、直腸を、それぞれの感染部位から採ります

尿道の核酸増幅検査には排尿開始時の初尿を使います。膀胱炎の中間尿培養とは採取目的が違います。口腔性交があれば咽頭、受容肛門性交があれば直腸から検体を採ります。自己採取スワブが利用できる場合は、採取部位と手順を確認します。

淋菌の治療失敗、薬剤耐性、法医学的要件では培養が重要です。梅毒、HIV、B型・C型肝炎は曝露内容と時期に応じて検査します。感染直後には陰性となる検査があり、ウインドウ期間を考えて再検します。抗菌薬を先に飲むと診断が難しくなるため、可能な限り治療前に必要部位の検体を確保します。

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病原体が見つからない痛みには、刺激と外傷も考えます

尿道炎症状があっても白血球や病原体を確認できない場合は、石けん、潤滑剤、消毒薬の刺激、外傷、尿道狭窄、結石、慢性骨盤痛、骨盤底過緊張、性器ヘルペスの潰瘍を調べます。HSV尿道炎は目で見える潰瘍が乏しい場合もあり、強い灼熱感、尿道口炎、全身症が手掛かりです[5]。

症状が続くときは、客観的な尿道炎所見、治療後の再曝露、検査した部位を確認します。M. genitaliumやT. vaginalisなど未検査病原体を追加し、陰性なら非感染性の評価へ移ります。同じ抗菌薬を延長すると、耐性と腸内細菌への影響が増えます。検査結果と症状が合わない時点で、病原体以外の原因を調べます。

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パートナー治療と性行動の期限を同時に決めます

淋菌やクラミジアが確認された場合、一定期間内の性的パートナーも評価と治療の対象です。本人の治療だけが終わっても、同じパートナーが未治療なら再感染します。連絡には安全面や関係性の事情があるため、利用できる匿名通知や相談支援を案内します。受診時には最終接触日と接触部位を確認し、どの期間のパートナーへ検査・治療を勧めるかを具体的に決めます。本人の同意とプライバシーを保ちながら、再感染を防ぐ連絡方法を選びます。

本人とパートナーの治療が完了し、病原体ごとの推奨期間が過ぎるまで性行為を控えます。コンドームは接触の最初から最後まで使い、口腔・肛門性交も感染部位に応じて考えます。治癒確認検査と、数か月後に再感染を探す検査は目的が異なります。病原体、妊娠、治療薬、再感染リスクから両方の時期を決めます。

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発熱、精巣痛、尿閉、関節症状は当日評価します

発熱と会陰部痛、排尿困難がある人は急性前立腺炎を、片側精巣痛と腫脹がある人は精巣上体炎または精巣捻転を考えます。突然の強い精巣痛には直ちに捻転を評価します。下腹部痛と発熱がある女性では骨盤内炎症性疾患、発熱・皮疹・関節痛がそろう人では播種性淋菌感染を疑います。

軽い尿道違和感だけで全身状態が良ければ、通常の外来時間内に検査を手配できます。検査と治療が済むまでは性接触を避けます。陰茎全体の急な腫脹、包皮が戻らない状態、尿閉には別の緊急処置が必要です。性感染症の診断がついている人にも、捻転、尿閉、重症感染は起こります。

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治療薬は、処方時点の耐性情報で選びます

淋菌とM. genitaliumの推奨治療は、薬剤耐性の変化に合わせて更新されます。海外ガイドラインの薬剤・用量が日本の承認、供給、保険と一致しない場合もあります。処方時点の公的情報と地域の耐性状況を確認します[2][3][7][8][9]。

症状が消えても微生物学的治癒が得られていない例があります。耐性が疑われる淋菌やM. genitaliumでは、治癒確認の方法と時期を決めます。服薬状況、治療後の性接触、パートナー治療を記録し、治療失敗と再感染を分けます。個人の症状を治すことに加え、耐性菌を選択しにくい治療を選びます。

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まとめ

尿道分泌物や排尿時灼熱感がある人は、性接触した部位に合わせて初尿、咽頭、直腸の検体を採ります。淋菌とクラミジアを調べ、持続・再発例ではM. genitaliumと薬剤耐性を確認します。可能な限り抗菌薬前に採取し、病原体が見つからない症状には刺激物、外傷、ヘルペス、骨盤底などを調べます。本人とパートナーの治療、性交を控える期間、治癒確認と再感染検査の日程を同時に決めます。突然の精巣痛、発熱・会陰部痛、尿閉、関節・皮膚症状には早急な対応が必要です。